保育園や小学校の歯科検診で、歯列不正というお知らせをもらったけど、どこの歯科医院を選べばいいの?というお悩みを、よく伺います。保護者の方自身が矯正治療の経験がある方もいれば、歯科とは縁遠いという方まで様々です。
そんな中で、お子様の歯列矯正の治療を進める前に、保護者の方にも知っていただきたい事がいくつかあります。

お子様の歯列矯正を始める前に、知っておきたいポイント4つを知識として理解していただけると、いざ矯正治療を始めようと思った際にも、知識のベースとしてお役立ていただけると思います。

▼矯正治療の段階は2通りある

小児の時期にできる矯正治療は、一期治療と言われています。
12歳以降から行う矯正治療を二期治療と言います。
まず、この一期治療とは、どのような治療でしょうか?

一期治療とは

年齢

乳歯から、混合歯列期と言って、永久歯に生え変わる時期に行う治療です。
お口の中の状況にもよりけりですが、6歳頃から12歳頃と言われています。
ですが、骨格的な異常(大幅に下顎が前に出ているなど)は3歳頃から治療を開始するパターンもあります。

治療内容

永久歯の歯並びを整えるための治療で、永久歯列になった時、大人の歯並びが正常なものになるための準備の治療をしている状態です。
ですので、歯を1本ずつ移動させるような治療ではなく、骨格が正常に発達する手助けをするための装置(取り外し式、装着したままのもの等様々です)を使用します。

▼二期治療とは?

年齢

12歳以降に永久歯が生え揃った状態、一期治療を終えてからスタートする矯正治療が二期治療です。

治療内容

ワイヤー矯正の場合には歯に矯正装置を装着する、マウスピース矯正の場合にはマウスピースを装着するなど、成人矯正と治療内容は大きく変わりません。
ですが、一期治療である程度土台が整えられている場合には、抜歯をしなくても良いケースや、大きく歯を移動させなくても良い、などのメリットがあります。
一期治療の際にも患者さんの顎の骨の状態や、発達によっても歯並びには大きく差が出ますので、個人差があることだけはご承知ください。

▼保護者の方の協力が必要不可欠

小児の患者さんの場合には、保護者の方のご理解とご協力いただくことが、たくさんあります。
定期的に来院する際の付き添いや、取り外し式の装置の管理の補助、取付けタイプの矯正装置がついた場合の仕上げ磨きのお手伝いなど、サポートしていただくことが多くあります。
そして、一番難しいのはお子様のモチベーションの維持です。矯正治療を始める時に抵抗感が強く、本人が納得していない場合には、治療を開始しても通院したがらず、苦労されている保護者の方も多くいらっしゃいます。
モチベーションが低いと、定期的な来院ができずに治療が中断してしまう恐れや、歯磨きなどもおろそかになってしまうために、虫歯を作りやすく、歯肉に炎症を起こさせる可能性も多くあります。そして何より、親子間でのストレスを増やしてしまう恐れがあります。
歯科医院に通院することを幼少期から慣れさせるという方法もありますが、小児の患者様本人の意思、心と向き合うことも大切にしていただければと思います。
当院では保護者の方と一緒にお子様へ向き合って参りますので、是非ご相談ください。

▼歯並び以外にも治療する事がある?

小児の患者さんの矯正治療では、歯並びだけではなく、通常の食生活や生活習慣、悪習癖と言って、歯並びや顎の発達にとって弊害のある癖を取り除くトレーニングも行います。
悪習癖とは…

    • 頬杖をつく癖
    • 唇を噛み込む癖
    • 片側だけで食べる癖
    • 前歯を舌で押し出す癖
    • 指しゃぶりの癖
    • 口呼吸
        など、上記以外にもありますが、幼少期からの癖が取れずに歯並びに影響する事が多くあります。指しゃぶりが4歳以降でも常習的に辞められず、少しずつ骨格から前歯が出ている状態になってしまう事は、よくあるケースです。

 

      • これらの癖を取り除くために、取り外せない矯正装置を付ける場合や、お口の周りの筋肉のトレーニングなど、様々にありますので、

歯を移動させるだけではなく、お口の機能を回復すること

      • も矯正治療のうちの一つに入ります。

▼歯科医院の選び方

歯科医院は、どう選べば良いのか?矯正専門の歯科医院の方が良いのか?など、悩むことが多くあると思います。
矯正専門の矯正歯科では、成人の患者様から小児の患者様まで矯正治療の症例が豊富で、矯正治療専門のプロフェッショナルの歯科医師、歯科衛生士が診療をしていますので、難しい症例でも相談をする事が可能です。

一般の歯科医院で矯正治療も取り扱っている場合には、矯正専門の歯科医師とタッグを組んで治療を行なっているところが多いです。そうすると、矯正治療中に虫歯や歯肉が腫れる、乳歯が抜けそう、などの歯のトラブルが起こっても1つの歯科医院で治療を完結する事ができます。

ライフスタイルや、通院のしやすさ、親身になって相談に乗ってくれるか、診療方針や金額の提示に納得が行くか、というのも含めて、お子様と保護者の方が納得の行く歯科医院を選ばれることをお勧めします。

▼まとめ

お子様の歯列矯正を始める前に、知っていただきたいことについて、お伝えさせていただきました。歯並びを整えることは、見た目だけではなく噛み合わせやお口の機能を回復する目的がある事がご理解いただけたと思います。
お子様には、歯の健康について悩む将来を過ごしてほしくないですよね。少しでもお子様の歯並びについてお悩みの場合には、是非当院へご相談ください。

当院の矯正歯科については、こちらで詳しく解説しています。インビザラインによる矯正治療について、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。「矯正歯科(インビザライン・マウスピース矯正)」