はじめに
「矯正治療のメンテナンス、期間はどのくらいみていればいいの?」
「いつ頃メンテナンスは終われるの?」
このように、矯正治療を行う際に患者様から質問されることが多くあります。
メンテナンスとはいうけれど、それって経過観察のこと?それとも治療?と、よくわからない方も多いと思います。では、歯医者さんでよく言われるメンテナンスという言葉について詳しく説明をしていきます。
メンテナンスとは?
矯正治療のメンテナンスとは、矯正装置を使用して歯並びや咬み合わせを治療した後、整った歯並びを維持し、再び歯が元の場所へと移動しないようにするための、ケアや管理のことを指します。矯正治療後のメンテナンスは、美しい歯並びと正しい咬み合わせを長期にわたって保つために非常に重要です。
具体的には以下のような取り組みを言います。
1. リテーナーの使用
リテーナーとは:矯正治療後、歯が元の位置に戻らないように保持するために使用される装置です。取り外し可能なタイプや、歯の裏側に固定するタイプがあります。
使用期間と頻度:歯科医師の指示によりますが、通常は数年間、特に治療直後はほぼ常時使用し、徐々に使用頻度を減らしていきます。ほとんどはその後も長らく就寝時には着用していただくことが多いです。
2. 定期的な歯科診察
矯正治療後も定期的にフォローアップ検診を受けることが重要です。この検診で、歯の移動やリテーナーの状態、お口の健康状態をチェックします。期間は、最初の1〜2年は3ヶ月〜6ヶ月以内でご来院いただき、その後は半年検診という流れになりますが、患者様のお口の状態や歯並びの状態でも期間は変わってきます。
3. 毎日の歯磨きの徹底
矯正治療後の歯並びや咬み合わせを維持するためには、お口の衛生状況を健康に維持することが不可欠です。正しい歯磨きとフロス、歯間ブラシなどを的確に使用することで、歯と歯茎を健康に保ちます。
4. 健康的な生活習慣の維持
健康的な食生活や十分な水分補給は、お口の健康を保つ上で重要です。硬すぎる食べ物や粘着性の食べ物の過度の摂取は避け、歯に負担をかけないようにしましょう。矯正治療後はなんでも食べられるからと少し無理をしてしまう方もいらっしゃいますので、無理なく少しずつ食事には慣れていきましょう。
5. ストレス管理
ストレスによる歯ぎしりや食いしばりは、矯正治療の結果に影響を及ぼすことがあります。無意識の中で行なってしまう歯ぎしり、食いしばりは矯正治療後の歯並びにとても大きく影響し、気がつくと歯並びがズレている、保定装置にヒビや亀裂が入っていることも少なくありません。ストレスの解消方法を実践することや、ストレッチやマッサージなどで、これらのストレスを少しでも抑制しましょう。
矯正治療のメンテナンスは、患者様自身の意識と努力、そして歯科医院との協力によって成り立ちます。治療後のメンテナンスを適切に行うことで、長期にわたって美しい歯並びと健康な咬み合わせを保つことができます。
メンテナンスの期間は?
メンテナンスの期間は、患者様のお口の中の様子でも大きく差が開きます。
矯正治療が終わって間もない場合には、頻度が高く、短い期間でメンテナンスにお越しいただくことで良い状態をキープすることが可能です。
メンテナンス来院頻度例
・メンテナンス期間3ヶ月
3ヶ月でお越しいただく場合には、歯並びが整ってまだまもない(1年以内)などや、そのほかにホワイトニングを行なっているなど、お口の中の状態が安定していない場合やホワイトニングなどのメンテナンスや経過観察、クリーニングをこまめにしていかなければならない場合に、短い期間でお越しいただくようになっています。
・メンテナンス期間3〜6ヶ月
矯正治療期間後2年など、状態が安定している患者様にはこのくらいの余裕を持ってご来院していただきます。ですが、お口の中の状態が安定していないとなかなか半年まで引き延ばすのは難しい場合があります。
というのも、安定しているというのはご自身でのプラークコントロールと言って歯磨きがどのくらい上手に行われているかというところを重要視しています。
毎日行う歯磨き。こちらはなかなかご自身の癖が出やすい習慣でもあります。
歯並びが整うことで歯磨きがしやすくなる。というメリットもございますが、矯正治療が終わって今まで装置が入っていた時間が少し短くなって、日中に外していることが多くなると、間食が増えてくる傾向があります。
そうなると、少しずつプラークが蓄積して歯磨きでは取り除くことができない歯石になってしまうのです。その歯石は、メンテナンスの際に発見してクリーニングでしっかりと除去しなければ、歯肉は腫れてしまい、歯周病の原因になってしまうからです。そうならないようにも、短いスパンでメンテナンスをしなければならないような状況のお口の方、磨き残しがどうしても多い方は半年のメンテナンスではお口を良い状態に保つには間に合わない、追いつかない、と言ったことが発生します。
ご自身のメンテナンス期間はどのくらいが適切なのか?もっと短くしたい、長くしたいなどがあれば遠慮なくご相談ください。
矯正治療でお悩みのことがあれば遠慮なく当院へご相談ください。