目立たない矯正装置として近年注目されているマウスピース型矯正装置でありますが、その多くが、永久歯が生え揃ってから行われる成人向けのものであります。お子さんの矯正を考える保護者さまの中には、「できればマウスピースで矯正をしたい」とご希望される方も見受けられるため、今回は子供用マウスピース型矯正である「インビザライン・ファースト」について詳しくご紹介してまいります。

※インビザライン・ファーストは、米国で製作された治療機器であるため薬機法対象外となります。

インビザライン・ファーストとは?

インビザライン・ファーストは6歳~12歳までの子供を対象とした、マウスピース型矯正装置です。
乳歯と永久歯が混在する6歳~12歳ころの子供は、これまで対象外であったインビザラインではありますが、アライン・テクノロジー社から新たに子供を対象したインビザラインが誕生しました。

インビザライン・ファーストの特徴は、顎の成長を促すことはもちろんのこと、歯並びも整えられるマウスピース型矯正装置であり、金属を一切使用していないため、金属アレルギーの心配もありません。

従来の小児矯正装置

これまで6歳~12歳ころの子供が適用する矯正装置といえば、顎の幅を広げる「急速拡大装置」や「床矯正」、一般的な「ワイヤー矯正」でした。

床矯正は取り外しが可能であるものの、金属の装置であり金属アレルギーの心配がある子供には不向きでありました。
また、床矯正や急速拡大装置は顎の成長を促すことはできても、歯並び自体を整えることは困難でありました。

インビザライン・ファーストで歯を動かす仕組み

一般的なワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットと呼ばれる矯正装置を装着し、歯に装着したブラケットをワイヤーで連結させ、ワイヤーを引っ張る力を利用して歯を動かしていました。

インビザライン・ファーストでは、インビザラインの仕組みと同じように、歯が動くように設計された透明なマウスピース(アライナー)を、1~2週間の頻度で付け替えていくだけで歯が動いていきます。
また、治療を計画どおりに進めていくためには、インビザライン・ファーストの着脱管理が重要であり、1日20時間~22時間の装着が望まれています。

インビザライン・ファーストのメリット

目立ちにくい

インビザライン・ファースト自体は透明なプラスチック素材でできているので、装着していても口元から目立ちません。
たとえば、写真館での撮影や習い事の発表会であっても、口元からマウスピースを装着していることはわかりにくく、見た目を気にすることなく記念写真もお撮りしていただけます。

自身で取り外しができる

ワイヤー矯正は取り外しができませんが、インビザライン・ファーストは自身で取り外しが可能です。
食事の際は取り外していただき、装置を気にせずに普段どおりに食事を楽しめます。また、歯磨きもそのまま行えるので、いつもお口の中を清潔に保つことができます。

印象材による型取りが必要ない

従来の矯正装置を製作するためには、印象材による歯型採取が必要でありました。
ドロドロとした感触の印象材は嘔吐反射を引き起こすことも多く、苦手意識を持ってしまう子供も少なくありませんでした。
しかし、インビザライン・ファーストは印象材による歯型採取は必要なく、口腔内スキャナーでお口の中を数分間スキャンするだけで完了します。

ワイヤー矯正にくらべて痛みを抑えられる

ワイヤー矯正は調整を行う度に大きな力が歯に加わるために、痛みを感じやすいといわれています。
しかし、インビザライン・ファーストの場合は、微力の力を少しづく加えて歯を動かしていくので、痛みの感じ方には個人差がありますが、ワイヤー矯正に比べると痛みを感じにくいといわれています。

インビザライン・ファーストのデメリット

装着時間を守れないと歯が動かない

自身でインビザライン・ファーストを取り外しできること自体はメリットでありますが、取り外したままでいたり、新しいマウスピースと交換できなかったりすると、歯が計画通りに動かず、治療期間が長くなったり、マウスピース自体の作り直しとなる恐れもあります。

適用条件がある

これまでご紹介したとおり、インビザライン・ファーストの対象は6歳~12歳までの子供です。
また、歯並びやかみ合わせの状態によっては、インビザライン・ファーストでは改善が難しいと診断されるケースもあります。

まとめ

今回は6歳~12歳の子供が対象となる「インビザライン・ファースト」についてご紹介いたしました。
基本的に子供の歯列矯正では、次に生えてくる永久歯のスペースを確保するため、顎の成長を促す治療がメインとなりますが、インビザライン・ファーストは、同時に歯並びも整えられます。
ご興味がございましたら、まずはお問い合わせください。