コンプレックスになりやすい歯並びのひとつに、出っ歯があります。
出っ歯は歯列矯正で治療できますが、「インビザラインでも出っ歯は治るの？」と疑問に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、インビザラインで出っ歯を治したい方に向けて、治りやすいケースと治りにくいケースをご紹介します。
出っ歯はインビザラインでも治療できる？
出っ歯はインビザラインでも治療を行うことは可能ですが、治療が難しいケースがあることも知っておきましょう。
まずは、インビザラインについて簡単におさらいしておきます。
インビザラインとは
インビザラインは2022年9月時点で1400万人以上の人が使用するなど、世界中に普及している矯正ブランドです。
日本でも取り扱う歯科医院が増えてきたことで、インビザラインによる矯正治療を行う患者さまは増えてきました。
インビザラインによる治療では、取り外しのできる透明素材のマウスピース装置を使用します。治療の段階に合わせてマウスピースを交換し、少しずつ歯を動かしながら歯並びを改善していきます。
ワイヤー矯正に見られるようなブラケットやワイヤーは、使われていません。マウスピースは1日に20～22時間程度は装着しておく必要がありますが、食事や歯磨きをするときは外すことも可能です。
インビザラインでは出っ歯が治らないと言われる理由
実は、インビザラインは出っ歯が治らないと言われている時期もありました。
なぜなら、ワイヤー矯正に比べて歴史が浅く、症例も少なかったからです。100年以上もの歴史を持つワイヤー矯正に対して、インビザラインは1997年にアメリカで開発されました。
日本で治療が開始された時期も2006年になりますが、現在では症例も増えて治療法も確立されたので、出っ歯の治療にも採用されています。
インビザラインで治る出っ歯と治らない出っ歯
多くの人がインビザラインによる治療を受けているとはいえ、難しい症例があるのも事実です。
そこで、どのようなケースがインビザラインで治せるのか、出っ歯の種類ごとに解説いたします。
歯の傾きが原因の出っ歯
インビザラインは、歯の位置や傾きの調整に適した矯正です。
すなわち、歯の傾きが原因の出っ歯にはインビザラインが適していると言えるでしょう。
特に以下のような状態にある出っ歯は、インビザラインで治せる可能性が高いと考えられます。
- 上の前歯が口の外側に向かって傾いている
- 下の前歯が口の内側に向かって傾いている
- 上の前歯も下の前歯も外側に向かって傾いている
骨格のズレが原因の出っ歯
骨格のズレによって起こる出っ歯は、インビザラインだけでは治療が難しいケースもあります。
たとえば、上顎の骨が極端に発達している場合や下顎の骨の発達が抑制されているような場合は、インビザラインだけで骨まで動かすことはできません。
歯だけでなく骨格のズレで出っ歯になっているならば、基本的にはインビザラインでの治療が難しいと言えるでしょう。
ただし、骨格のズレが軽度であれば、インビザラインによる治療が可能な場合もあります。
具体的には歯列全体を後方に移動させる、もしくは抜歯をしたスペースに前歯を移動させるといった治療法です。
骨格のズレが著しい場合は矯正のみでの改善が難しく、土台の骨を動かす外科手術が必要となる可能性もあります。
インビザラインで出っ歯を矯正するメリット
インビザラインは矯正中の見た目や痛みが気になる方だけでなく、むし歯や歯周病を進行させたくない方にもメリットがある治療法です。
装置が目立ちにくい
インビザラインのマウスピースは、透明のポリウレタン製です。金具やワイヤーもついていないので、他の矯正に比べて目立ちにくく、審美面に優れています。
周りの人からも気づかれにくいので、人前に出る機会が多い人にはおすすめです。
取り外しができる
一般的な矯正装置は歯科医師が着脱しますが、インビザラインは自分で取り外すことができます。
矯正装置の取り外しができないと食べ物が装置に挟まりやすく、ストレスを感じる場面も少なくありません。
インビザラインは普段通り食事を楽しめるので、食事中のストレスは皆無です。
痛みを感じにくい
痛みが苦手な人にとっては、矯正中の痛みも気になるのではないでしょうか。
歯列矯正では歯に圧力をかけて移動させるので、少なからず痛みを伴います。
ただし、インビザラインは弱い力でゆっくりと歯を動かすため、他の矯正に比べて痛みは比較的少なめです。
清掃しやすい
歯を磨くときにマウスピースをつけたままだと、お口の中の隅々まで清掃が行き届かず、むし歯や歯周病のリスクが上がります。
インビザラインのマウスピースなら歯を磨く時に取り外せるので、口の中もマウスピースも綺麗に清掃することができます。
お口の健康を保ちつつ歯並びも整えられるから、安心して治療に専念できるでしょう。
まとめ
インビザラインはメリットの多い矯正法ではありますが、必ずしもすべての人に対応可能なわけではありません。
出っ歯を治したい方はまず、歯の傾きによるものなのか、骨格のズレによるものなのか、歯科医院で原因を特定してもらったうえで治療を始めましょう。
